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「うまく育てよう」とするのをやめてから、起きたこと『ユニコーン企業のひみつ ―Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方 だった』

子育てに、正解はない。そう言われるたび、少し救われて、少し不安になる。

正解がないなら、私はいま、何を頼りに判断すればいいのだろう。叱るべきか、待つべきか。手を出すべきか、見守るべきか。

毎日のように迷い続けていたときに読んだのが、『ユニコーン企業のひみつ ―Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方』だった。

経営やエンジニアリングの本なのに、読んでいるあいだ、頭に浮かんでいたのは仕事のことより、家での子どもの姿だった。


私が抱えていた、具体的な悩み

当時、いちばんしんどかったのは、こんな場面だった。

  • 朝の支度がとにかく遅い
  • こちらが急いでいると、余計に動かなくなる
  • 声をかければ不機嫌になり、放っておくと遊び出す

「どう声をかければいいんだろう」
「今は甘えさせるべき?それとも線を引くべき?」

育児書を読んでも、「ケースバイケース」「その子による」と書いてある。それは正しい。でも、いまこの瞬間の判断には使えない。


この本で引っかかった一文

本の中で、強く残った考え方がある。

イテレーション
小さく試し、学び、修正し続けること。
プロダクトは完成しない。

最初は「仕事の話だな」と思った。でも、ふと、朝の支度で立ち尽くす子どもの顔が浮かんだ。

もしかして――この子は、いま“失敗”しているんじゃない。ただ試しているだけなんじゃないか。


声のかけ方を、ひとつだけ変えてみた

翌朝、同じように時間が迫る中で、子どもはまた靴下を手にして動かなくなった。

いつもなら、「早くして」「もう時間ないよ」と言っていたところで、その日はこう言ってみた。

「今日はどの順番で準備するか、決めてみる?」

子どもはしばらく考えてから言った。

「くっくした」

正直、遅い。効率は悪い。

でも、そのあと子どもは、かかとの部分こそ合わなかったが靴下を履くことができた。


子どもの反応が、明らかに違った

その日の夜、パジャマを着せようとすると子どもが言った。

「じぶんで!」

その言い方が、妙に誇らしげで、私は少し驚いた。

私は「うまく導いた」つもりはなかった。ただ、決める権利を渡しただけだった。

でも子どもにとっては、「やらされた朝」ではなく、「自分で進めた朝」だったらしい。


ミッションは「親の理想」じゃなくていい

本書では、ミッションについてこう語られている。

ミッションは、達成するためのゴールではなく、判断に迷ったときの“よりどころ”。

これを育児に当てはめるなら、「いい子に育てる」「ちゃんとした大人にする」そんな抽象的な理想じゃなくていい。

私が、この本を読んで決めたのは、とても小さなミッションだった。

「この子が、自分で選んだと思える瞬間を増やす」

叱るかどうか迷ったら、先回りしたくなったら、そのミッションに照らして考える。

それだけで、判断が少し具体的になった。

本の中には、「作った人が、メンテナンスもする」という話が出てくる。

投げっぱなしにしない。でも、全部をコントロールしない。

育児に置き換えると、これまで私がやっていたのは、どちらかだった。

  • 口も手も出す
  • もう知らないと距離を取る

この本を読んでから、間に、もう一段階あると思うようになった。

  • 決めるのは子ども
  • 困ったら、すぐ戻れる場所に親がいる

実際、朝の支度でも、途中で子どもが止まったとき、私は急かさず、でも離れなかった。

「どうする?」と聞くだけで、子どもはもう一度、考え始めた。


うまくいかない日も、ちゃんとある

もちろん、毎日うまくいくわけじゃない。

決めさせても、ふざけて進まない日もある。時間に間に合わず、結局こちらが抱えて靴を履かせる日もある。

でも、以前と違うのは、それを「失敗」と思わなくなったことだ。

今日はこのやり方は合わなかった。じゃあ、次はどうする?

一回で正解を出そうとしなくなった。


この本は、育児をラクにする本じゃない

『ユニコーン企業のひみつ』を読んでも、子育てが急にラクになるわけじゃない。

むしろ、子どもと向き合う責任は、はっきり重くなる。

でもその代わり、「どう向き合うか」を子どもの反応を見ながら考える視点をくれた。

  • いま、この子は何を試しているのか
  • どこまで任せられるか
  • どこで支えるか

正解はない。でも、考え続ける軸は持てる。

この本が語っているのは、フレームワークでも、Spotifyのやり方でもない。

人が、自分で考え、選び、学び続けるために、周囲はどう関わるべきか、という話だ。

それは、そのまま、目の前の小さな人間にも当てはまった。

もし、いま、

  • 声かけに迷っている
  • 叱る基準が分からなくなっている
  • 「これでいいのか」と毎日考えている

そんな状態なら、この本は、意外なところで役に立つと思う。

育児書ではないけれど、子どもを「管理」するのをやめたい人には、確実に何かが残る一冊だから。

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